森と海の街、Den Haagでのんびりライフ。美味しいもの、楽しいこと、いろいろ発見できるオランダ生活20年目。

Tree of Light Flower Essences & B&B 日常を楽しく

オランダよりフラワーエッセンスをお伝えしています。

手放しのサイン

介護視察のお仕事を始めて最初の訪問先
ユトレヒト近郊のホスピスでのこと。

人の手の温もりに
この世を去る人はきっと
旅たつ決意ができることでしょう。

そして
見送る側は
勇気を持って手放しのサインをおくること。

握りしめた手
自分の手を上に置くか、下に置くか

もう安心して
逝っていいよという見送りができるかは
家族やまわりの人間にとって難しいことです。

ついつい

まだ死なないで!がんばってと
上から手を押さえつけ
励まし続けることに力を入れてしまうけど

ここのホスピスでは
旅たつタイミングを大切にされており

手放すこと

患者さんが安らげる場を提供することに
心を尽くされていました。

私、お父さんの手を押さえつけてたわと
最後の看取りのことを思い出して
通訳のふみさんに

ああ、あの時、こうしてあげれば
お父さんももっと楽だったかもしれないねと
語った視察初日でした。

この写真をみるとわかりますが
この建物にすこしぼんやりと光が映っています。

あの世とこの世の扉の番人という感じの
担当者は、名札も名刺もお持ちではありませんでした。

何人見送っても慣れないのがこの仕事
時々、サイレントルームにはいって気持ちを
整理させてます、とおっしゃっていました。

ついつい
延命に力が入り
人間らしく最後までということに
気が回らないものですが

こうやって
最後のタイミングを大切にしてくれる
場所があることを知れたのも
視察で介護現場を訪問する機会を
得たからでした。